唐詩誦読

中国に行って驚いたのは本やCDが安いことです。100円や200円で買えてしまって、日本とは一桁違う感じ。上海書城という大きな本屋さんに何度も通って、あれこれ買い込んでしまいました。(おかげで帰りの荷物が重くて泣きそうでした)



中でも気に入ったのは子供向けの漢詩の本です。子供向けなのでピンインが付いていて、素人でも読めるようになっています。「漢詩を中国語で読む」ということに憧れていたので、とてもうれしい。インチキ中国語で音読しています。



面白いので高校の漢文の授業でも使ってみました。



「春暁」

春眠不覚暁 (chun1 mian2 bu4 jue2 xiao3)

処処聞啼鳥 (chu4 chu4 wen2 ti2 niao3)

夜来風雨声 (ye4 lai2 feng1 yu3 sheng1)

花落知多少 (hua1 luo4 zhi1 duo1 shao3)



有名な孟浩然の五言絶句です。ちょっと季節外れではありますが。まず四声だけ教えてから「続けて読んでねー」といって音読すると、「えー?」「むりー!」とかなんとか騒ぎながらも喜んで読んでいました。意外にちゃんと中国語っぽく聞こえるのが笑えます。



今の高校生にとって漢文というのはとっつきにくい科目のようですが、中国語というと興味を示すんですよね。とりあえず春までに「春暁」を暗誦するのが今回の宿題です。



参考までに、訓読文と井伏鱒二の訳詞(『厄除け詩集』所収)を載せておきます。これもけっこう面白いでしょ。



 春眠暁を覚えず 処処啼鳥を聞く

 夜来風雨の声 花落つること多少を知らんや



 ハルノネザメノウツツデ聞ケバ

 トリノナクネデ目ガサメマシタ

 ヨルノアラシニ雨マジリ

 散ツタ木ノ花イカホドバカリ